●東洋医学(陰陽②)
前回陰陽は二つの物を対比するという考えだと書きましたが、その続きです。
例えば、明と暗では明が陽で暗が陰ですね。 では明の中でも120Wの電球と40Wの電球ではどうでしょうか?
120Wの方が明るいので陽中の陽(陽の中でも陽)、40Wは120Wに比べると暗いので陽中の陰(陽の中では陰)という風に考えます。
このように全てのものは陰と陽の二つに分けることができ、その内部でも陰陽のニ面を持っていて、比べるものによって無限に陰と陽に分けることができます。 このことを陰陽可分(いんようかぶん)と言います。
二つで比べるとき、明と暗のようにお互いに逆の性質を持っていて決して同じものにはなりませんが、100か0かというわけではなくお互いに明と暗との間に段階が存在しています。 この逆の性質の事を陰陽対立、段階が存在することを陰陽消長(しょうちょう)と言います。
また明という概念がなければ暗という概念が存在できないというようにお互いが依存している関係にあることを陰陽互根(ごこん)と言います
そして陽は常に陽とか、陰は常に陰というように固定したものではなく、100から0の間を常に動き続けています。
例えば朝日が登ってきて少しずつ明るさが増してきて、日が沈んでいって徐々に暗さが増していくような感じです。これを陰陽平衡(へいこう)といいます。
その変化の中でも昼の12時頃に「最も明るいという状態」になり徐々に日が傾いて「暗いという状態」になっていき、深夜0時頃に「最も暗いという状態」になって徐々に日の出とともに「明るいという状態」になっていきますね?
このように最も陽な時と最も陰な時があり、そこから陽は陰へ、陰は陽へと変わっていきます。このことを陰陽転化(てんか)といいます。
陰陽平衡を量の変化と考え、陰陽転化を質の変化と考えます。
体内のことを陰陽で考える時も、常に陽だとか常に陰だとかではなく常に変化を続けています。
なので治療においても、「この患者さんには常にこれだ」という考え方では治るものも治りませんね。