●東洋医学(五行②)
前回から間が空いてしまいました。
続きです。
人体も五行の考え方を当てはめて考えることができます。
木・火・土・金・水のそれぞれに対して、五臓の肝・心(心包)・脾・肺・腎、六腑の胆・小腸(三焦)・胃・大腸・膀胱が配当されています。 この配当はそれぞれの色、形、配置をもとに考えられたとされています。
人体も何かのバランスが崩れると、不調という形で現れてきます。
例えば何らかの原因で腎が弱ってしまったとしましょう。
腎は水の性質を持っていますね。
すると水が弱ってくるので、以前話した相生関係で、木は水の力を得られなくなるので、木の性質を持つ肝も弱ってきます。
このような状態を肝虚と言います。
肝は、その母である腎の力をうけて力を増幅させています。
なので、肝を強くする事も重要なのですが、その母、つまり腎を強くしないと、結局また肝が弱ってしまいます。
他の例です。
腎が弱ってくると、親からいつも以上にエネルギーを奪って調子を整えようとします。
そうすると、水の親、つまり金である肺のエネルギーが足りなくなってしまって、腎虚という状態になってしまいます。
この時は、水である腎だけでなく、金である肺も強くするように施術をします。
※両方弱っているのに子の方に着眼し、名前をつけます。
どのように虚が進行するかは、人によって異なります。
またどこかの臓腑に不調が出てくると必ず体表に何らかの形で現れてきます。 たとえは顔や身体の色艶の変化、音、形、大きさ、硬さ、そして脈などです。
それらの変調は五行に当てはめて考えていきます。
前回の最後で、五行とは5つの物質の微妙なバランスの上に成り立っていると書きましたが、経絡治療はこの五行の性質を利用して、臓腑の微妙なバランスを調整することができるのです。